疾患のデパート(血友病A 先端巨大症 ぜんそく アトピー・・・・)

様々な持病を抱えた社会人♂がいろいろ語ります。

血友病Aの記録

 生まれた時から付き合ってきている病気です。血友病Aというのは分類としては血液疾患で、血液凝固因子Ⅷという因子が生まれつき少ない人がなる病気です。出血を止めるには血小板が一次凝固という最初の止血作業をして、その後二次凝固という二段階目の止血作業が必要です。この二次凝固にはいろんな凝固因子が携わっています。チームワークが重要なもんですから、こいつらのうちだれか一人でもいないとチームワークが乱れてうまいこと止血できなくなるんですね。私は8番という名前の凝固因子が生まれつき少ないわけです。そうするとちょっと激しい運動したり少し足をひねったりすると関節内出血や筋肉内出血がおこってねんざみたいな痛みや筋肉痛のひどい版みたいな症状が巻き起こります。これを治すには現代の医学では補充療法といって凝固因子を静脈に注射してあげるしかないわけです。でもずっとは持たないので定期的に補充をしてあげないといけない。処置をしないと歩けなくなるほど痛くなりますしもっとひどくなれば足が腫れてひどくうずきます。それはもう夜も寝られないほどつらい痛みなんです。

 私は中2のころに同じ病気の子供が集まる合宿にいって自己注射の技術を学びました。今は三か月に一度病院にいって注射キットをもらい、症状が出そうになると定期的に自己注射をしています。正直、下手な看護師よりも僕のほうが注射がうまいかもしれません。

 この病気のせいで学生時代は運動部に入れませんでしてね。とくにサッカーなんて最悪です。私の場合は足首に関節内出血が多く出ましたから、サッカーは禁止でしたね。でもね、小学生の頃ってサッカー部の人がモテますよね。一方僕は運動なんてろくにできないわけですからモテない。だから運動部のやつが死ぬほど嫌いでしたね。いまは自己注射できますから運動も適度にはできるようになりました。ジムでヒップホップダンスを習ったりしてるくらいですからそう考えると医学ってのはすごいですね。

 あと、血友病ってのは遺伝するんですよ。子供にじゃありません。孫に。健常者と結婚して子供を産んだとしたら男の場合は大丈夫ですが女の場合、保因者になります。その子は血友病にはなりませんがその子の子供が血友病になる可能性があるわけですね。だから結婚できないかと思いましたが嫁とそのご両親に恵まれ、そのことを告白しても「あら、そう」くらいでした。

 血友病Aは完治しないので補充療法で維持していくしかないというややこしい病気ですが特定疾患なので医療費はかかりません。経済的には大丈夫ですが、まぁ自己注射の負担はありますね。私はもう慣れましたからなんとも思ってません。ちゃんと適宜タイミングよく注射してりゃ健常人と同じです。将来、血友病を完治させる遺伝治療かなんかが発明されればうれしいですね。

.entry-footer-section{display:none;}